スロープの寸法

こんにちは!設計の石橋です。

皆さんは、エクステリアにおいて何を重要視しますか?

見た目?金額?快適さ? どれも大事なことですよね。

プランナーとしてはすべてを兼ね揃えたプランを考えたいところですが…、
見た目や快適さを求めるとどうしても金額が…。
アチラを立てればコチラが立たず…。悩ましい…。
やはり優先順位を決めないとですね。

今回は私が一番大事だと思っている「快適さ」に関連した話です。
何年も住むことになるお家、快適さの追求はエクステリアの満足度にも繋がりますからね。

「快適さ」と聞いて私がパッと浮かぶのはスロープです。

ステップの段差などで躓くこともなくなり、将来的に車いすが必要になったとしても大丈夫!!
自転車なども持ち上げずに、押して運べますね。

長く暮らしていく上で、こういったバリアフリーを意識していくのは大事だと思ってます。

「じゃあスロープってどういう風にプランニングしているのか?」というと…

スロープの勾配・距離・幅員を計算して駐車場に車を止める時なんかに干渉しないようにしたり…etc

…すみません。めんどくさそうですよね笑

まず勾配・距離から車いすを利用するという前提で簡単に説明します。

車いす(自走)の場合スロープの勾配は1/12以下が良いと言われています。
12分の1勾配
一応計算としては50cm上がるのに6m必要ってことですね。

この勾配は、車を止めたりするには少し急に感じるかもしれませんが、人が歩いたり、車いすで上がる分には問題ないでしょう。

介護者がいる場合はもう少し急にしても大丈夫で、勾配は1/8以下までです。

8分の1勾配
50cm上がるのに4m必要ですね。

女性や高齢の方が介助する場合でも、なんとか押して上がれるのがこの勾配です。
※ただこれでも、人と車いす合わせて100kg近い重さの方は、押すことが難しいかもしれません。
あとスロープを降りる時は進行方向に前向きだと危険です。後ろ向きに下ろしましょう。

そして幅ですが、車いすが幅70cmほどなのでスロープの有効幅員は最低90cmは必要でしょう。

ただし、もし180°方向転換が必要となれば倍以上のスペースが必要なので注意が必要です。
車いすサイズ
高低差100cmで、1/12勾配で計算すると
距離12m×幅0.9m=10.8㎡
一坪≒3.3㎡なので10.8㎡≒3坪
敷地面積の全国平均は約39坪らしいので、全体の約12%を占めてしまう計算になります。

もし車いすが必要になった場合のために敷地のどこにスロープを作るのか、面積はどれくらい必要なのか、考えておくことをおすすめします。